乾燥肌はアレルギーの入り口

2019.12.27
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私たちの体で空気に触れ続けている皮膚。元気な皮膚は、バリア機能を持っていて、必要以上に皮膚の中の水分が外に出て行くことを防ぐとともに、アレルギーの原因となるダニやPM2.5、花粉などが体内に侵入するのを守ってくれています。

 

乾燥肌はバリア機能の低下から

皮膚のバリア機能が低下すると、多くの水分が外に出てしまうことで、乾燥肌として症状に現れるようになり、乾燥肌によって皮膚が炎症を起こすと、それにともなってバリア機能がより低下する、という悪循環が起こります。そのため、適切なスキンケアを行うことによって、乾燥肌予防をしっかりとして、ダニやPM2.5などのアレルゲン侵入を防ぐことが大切です。

 

子供の乾燥肌はアレルギーマーチを引き起こす

アレルギーマーチとは、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー疾患が次から次へと出現してくる現象のことで、アトピー性皮膚炎が最もアレルギーマーチの起点になりやすいと考えられています。子供をアトピー性皮膚炎にさせないためにも、子供の乾燥肌予防は特に重要です。

 

乾燥肌ケアには保湿がポイント

乾燥肌予防に効果的なのが、入浴時の保湿です。体を洗う際には、肌に優しいスポンジやタオルを使って、弱酸性の泡で優しく洗うことを心がけましょう。また、入浴後30分以内に保湿外用薬を塗ると効果的で、乾燥の程度にあわせてミスト剤、乳液、クリーム剤などを使い分けるとより効果的です。実際に生後1週から32週までの新生児が保湿薬の外用によるスキンケアを行うことでアトピー性皮膚炎の発症リスクが32%も低下したという研究結果もあります。

 

季節の変わり目はお肌の変わり目

季節の変わり目は、外的な温度や湿度や着る衣服の変化など、皮膚のバリア機能の低下による乾燥肌が発生するリスクが高まります。自分では乾燥肌ではないと思っている方でも実はバリア機能が低下している可能性もあるので注意が必要です。

 

【文献】

季節の変わり目における皮膚バリア機能低下のメカニズム (向井秀樹、新山史朗、吉野崇)

すこやかライフNo.47 2016年3月発行(独立行政法人環境再生保全機構)

アトピーナウ 2019年5-6月号(日本アトピー協会)